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校長講話【ドッグイヤー】2023. 3.22

★校長になって、全校の前でお話しすることが格段に増えました。話の内容等、ネットに公開されているものを参考にさせていただくことも多いので、稚拙ながら次の方々の参考になるならと、自分でも公開することにしました。公開にあたって、個人情報は抜き取ってあります★

20220511校長講話

 今日のお話はワンちゃんのことです。
 犬のことを英語でなんと言うか知っていますか?ドックですね。今日はドッグイヤーというお話をします。イヤーというのは年なので、犬が年を取ることについてお話をしますね。
 実はワンちゃんは生まれてから一年間で15歳、中学を卒業するくらいになります。皆さんは中学を卒業するまでには15年くらいかかります。その15年をワンちゃんは一年くらいで年を取ってしまいます。先ほどの一年後の写真がありますが一年でこんなに大きくなってしまいます。体だけではなくて気持ちも一年間で随分変わるんです。けれども、その一年間をどう過ごすかというのがワンちゃん達にとってはすごく大事なんです。その一年間を大事にしないと誰にでも噛み付くような犬になってしまったり、すぐ喧嘩をするような犬になってしまったりします。その一年間をお友達と一緒に楽しく過ごすことができれば、ずっと人間と友達になってくれるような犬になります。
 私は中学の技術が専門の先生なので技術のことは詳しいのですが、技術の世界でドッグイヤーという言葉があります。どういうことかと言うと、大きく進歩する時のことです。これは昔の電話ですが、この電話が大きく進化した一回目は携帯電話になった時です。線で繋がらずに無線の電話持ち歩きの電話になりました。このときはドッグイヤーです。その後携帯電話は進化していて、スマホになった時もドッグイヤーと言われました。技術ってある時どーんと進化するんですね。
 私はその言葉を人間に例えるとどうかと考えました。この写真わかりますか?去年の児童会長の○○さんです。周りの先生方に聞くと、とてもしっかりした6年生で、伊那西小学校を引っ張ってくれた人だと教えてくれました。これは卒業式の時の写真ですが立派ですね。今の6年生からしてもその○○さんは大人に見えたんじゃないでしょうか。もうひとつの写真があります。これは入学式の時の写真です。この6年間で○○さんはこんなに大人っぽくなったんですね。
 ワンちゃんは1年間でぐっと大人になるけれど人間も小学校1年の時から6年間でこれぐらい変わるんですね。
 もう一枚こんな写真を持ってきました。これは6年前の私です。変わってますか?あまり変わっていませんよね。大人はあまり変わりませんよね。皆さんの家のお父さんやお母さんも変わらないでしょう。だから先生は小学生のみんなが今ドッグイヤーにいるんではないかと思います。今の6年生も「1年生を迎える会」とかしっかり計画してくれてすごいなと思っていましたが、きっとこれから卒業までにもっと進化してくれると思います。それは他の学年でも同じです。皆さんも去年の今頃自分から本当変わったんじゃないかなと思います。先生はあまり変わりませんが・・・。ですから小学校の時はとても大事な時なんです。
 そんな今、大事なことは何でしょうか。始業式の日にみんなにお願いしたことをもう一度言います。みんなは今ドッグイヤーなので小学校の時に今できることをやらないと、大人になった時に足りない人になってしまいます。それはどんなことでしょうか?
 友達とのお話をしましょう。ワンちゃんも一匹だけでお話しも躾もされないで繋がれたまま一年間過ごすと危ない犬になってしまいます。友達とお話しすることはみんなも成長することにつながります。運動をすることもそうです。本を読むこと、始業式の時にも言いましたが皆が今同じ本を今読むのと大人になってから読むのとでは全然意味が違います。自然や動物・植物とふれあうこと。これも伊那西小ならではです。お家の人ともお話をしましょう。そしてやっぱり勉強もしましょう。
 そんなふうに今だからできることがいっぱいあります。そしてそれはどれも今しかできないことです。おじさんの夏は毎年同じだけれど、みんなの夏はこれからやってきますが、1年生(他の学年も)の夏はそれぞれ一回しかありません。それで今年の夏をどう大事にするかを考えて欲しいと思います。
 伊那西小に来ていろんな姿に会いました。これは4月最初のマラソンの時の写真です。桜の下でできるなんていいですね。林間をを走れる、これもいいですよね。校舎を出てすぐの林間でシイタケ菌うち作業、カタクリの花、たけのこ掘り、どれも伊那西小でなければできないことです。
 小学校での生活は一回しかありません。もっと言えば今の学年も一回しかありません。給食のように美味しいものを後でとっといて食べるようなことはできません。今しかないんです。それが今の皆さんの時代でドッグイヤーだと思います。
 これは東京の学校の写真です。校庭は土じゃないんです。そしてこっちは伊那西小、森の教室があるような学校は他にありません。先生は伊那西小に来れて本当によかったなと思います。自然が豊かな伊那西小でのびのびと遊んだり、勉強したりして過ごしている皆さんが、今しかできないことをしてこれからも力をつけていって欲しいと思います。それが先生の願いです。これでお話を終わります。