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2学年のスタートにあたって(学年主任の話)2011. 4. 9

 あらためて進級おめでとうございます。ここにいる全員が1年生の課程をすべて終えて,2年生になることができました。私たち学年職員も新しい先生方を迎えつつほぼ同じメンバーで皆さんと一緒に2年生の担当となりました。お互いをよく知っていることをよい方に働かせながら,これから一年間皆さんと一緒に過ごしていきたいと思います。
 さて,今日は平成23年度の始まりにあたって,みなさんとどんなことを目指して日々生活していきたいかというお話をします。
 今年一年間,私は2学年の皆さんのキーワードを「修行」と考えました。学年会でも先生方にお話をして,同じ気持ちで考えてくださっていると思います。「修行」と聞いて皆さんはどんなことを思い浮かべますか?おそらく「大変」だとか「厳しい」だとか言う言葉とともに,滝で打たれたり,寒い早朝にお寺の廊下を裸足で雑巾がけをしたりする修行僧のイメージが浮かぶんじゃないでしょうか。
 昨年度,中学校時代は「人生の中でも一番成長するときであり,この大事な時は後にとっておくこともできないので,今しかできないことをやらなければならない。」というようなお話をしたと思います。その中で,皆さんは一年生として中学生の形を身に付け,中学生として多くのことに挑戦して基礎を固めてきてくれました。その上で今年は皆さんにこれからの人生の中でいつでも大事になるさまざまな能力をしっかり身に付けてあげたいと思うのです。ドッグイヤーと昨年表現したように,今年の一年間は大人になってからの何年分にも匹敵するほど中身の濃い年です。逆に言えば今年一年間を逃してしまうことは,大人になってからの何年分かを棒に振ってしまうのと同じです。新しいことを身に付け,できるようになるのはうれしいことであると同時に,苦しく・つらい努力をすることも必要になります。そんなことから,今年は「修行」の年をキーワードと考えました。
 これはなにも私が言うだけではなく,行事や教育課程の中にもそれが設定されています。たとえば,西駒の登山であったり職業体験学習であったりと,学習だけでなく厳しいプログラムや学校を離れて社会を体験するプログラムが組まれていることからもわかるでしょう。
 さてそんな中,君たちが戦う相手は何でしょうか?クラブをやっていれば他の選手と戦わなければならないこともあったでしょうし,テストの点数や評定なんかも人と比べて負けないように頑張ってきたと思います。
 今年戦う相手は,ずばり「自分」だと思います。勉強にしても部活にしても,委員会活動にしても,かならず「もうこれくらいでいいや」とか,「めんどうだからやめちゃおう」とか言う自分がいます。修行していく上で一番の敵は「楽な方へ流れようとする自分」なんです。
 これは先生たちや大人も含めて,誰でもそうだと思います。でも今年は特に,弱い自分に負けずに頑張ってほしいと思うのです。そのときの武器や味方になるものは何だと思いますか?それは友だちです。一人だけじゃ負けちゃうけど,一緒にやっているルームメイトやチームメイトの姿が大きな力になるはずです。。どうか今年一年間,修行のつもりで頑張って,今つけるべき力をできるだけたくさん身に付けてください。大丈夫,少々のことで皆さんの体は壊れはしません。多少の無理は仕方がないくらいな意識で取り組んでほしいと思います。私たち職員も,君たちに力をつけるために,個々に応じて,時にはあえて厳しく,時には様子を見て対応し,応援していきたいと思います。
 よく言われるのは,両側を他学年に挟まれた皆さんは,サンドイッチで言えば中身であると言うことです。この間,○先生が「2年が強いチームは強い」とおっしゃっていましたが,南中の味を作るのは2年生です。外から見ていくらおいしそうなパンのサンドイッチでも,中身が腐っていたら食べられません。逆に中身がおいしければ,「これはおいしいサンドイッチだ」と言われることでしょう。年度当初に当たり,今年一年間君たちの頑張りを期待し,教師として力をつけてあげようという決意を新たにしながら,今日のお話を終わりにします